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東京地方裁判所 昭和44年(刑わ)366号 判決

主文

被告人を懲役四月に処する。

未決勾留日数中六〇日を右の刑に算入する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

(罪となる事実)

被告人は、無政府主義者(アナーキスト)の一人であるが、川本嘉昭と共謀のうえ、国民が住宅難に悩んでいるとき、豪華な新宮殿の造営に対し、批判、抗議の意思を強く行動をもつて表明するため、皇居の一般参賀の会場に黄色および白色の発煙筒二本(昭和四四年押第三三九号の一)を携帯して立ち入り、同所においてこれを燃焼発煙させると共に、その際「大衆に訴う―日本の進路―」と題するビラ(同号の二)を撒布しようと企てた。

第一、被告人および右川本の両名は、一般参賀の日である昭和四四年一月二日の午後零時ころ、前記不法な目的をもつて、あらかじめ配分した右ビラを所持し、川本が右発煙筒二本を携帯し、東京都千代田区千代田一番皇居正門から中門を経て、右参賀会場である新宮殿の一部の皇居長和殿東庭内に立ち入り、故なく宮内庁管理部長西原英次の看守する邸宅に侵した。

第二、被告人および右川本の両名は、同日午後零時二〇分ころ、一般参賀者多数の参集していた右参賀会場において、法定の除外事由がないにもかかわらず、川本において、東京都知事の許可を受けないで、硝酸塩、塩素酸塩を用いて作られた火工品である黄色発煙筒一本(同号の一)に点火し、これを燃焼発煙させた。

(証拠の標目)〈略〉

(本件の争点に対する判断)

第一、建造物侵入罪について。

一、被告人の本件立ち入り部分が、刑法一三〇条にいう「人の看守する邸宅」にあたるか。

被告人および弁護人は、建造物侵入罪の成立を否定し、弁護人はまず、「検証の結果明らかなように、長さ一六四メートルに及ぶ皇居長和殿前面の東庭は、広大な面積を有し、いわゆる庭園ではない。それは石を敷きつめた広場であり、始めから集会場として、参賀のためつくられたもので、天皇一家の私生活と関係なく、天皇一家の邸宅とはいえない。」旨主張する。

ところで、住居の用に供する目的で作られた建造物と墻壁など通常の歩行によつて越えることのできない設備で囲続されたその付属地帯(囲続地)は法の規定する「邸宅」というべきである。

〈証拠〉によれば、皇居全域(右秘書課長回答書添付の皇居総図に朱線で示された区域)は、国有財産法に基づき総理府が所管する行政財産であつて、内閣総理大臣の委任を受け、宮内庁管理部長がその管理にあたつており、形態的には濠・土手・塀などによつて外部と区画され、管理方法としては、それぞれの門には守門として皇居護衛官がその出入・通行を規制し、みだりに人が立ち入りすることを防止する物的、人的設備がなされていること、新たに造営された新宮殿の一部である長和殿前面の東庭と呼ばれる区域とそれへの通路は、主として警備の観点から特別区域に準ずる準特別区域として人および車の出入りの規制される区域であり、右東庭といわれる場所は、全体に石が敷きつめられ、中門、土塁などで囲まれ、住居の用に供される目的で作られた建造物である長和殿に付属する地帯(囲繞地)であることが認められる。

したがつて、皇居全域が刑法一三〇条にいう「人の看守する邸宅」であるが、被告人の本件立ち入り部分が右邸宅にあたることは明らかである。

これに反する弁護人の右主張は採用しない。

二、被告人の立ち入り行為が、刑法一三〇条前段にいう「故なく侵入した」ことにあたるか。

被告人および弁護人は、「参賀の日である一月二日には、参賀会場である皇居長和殿東庭およびそれへの通路は、午前九時から午後三時三〇分までの間、ひろく一般国民に解放され、誰でも入ることができ、その際氏名を告げることも、記帳することも必要はなかつた。したがつて、被告人が同所に入つたことは、誰でも自由に出入させているデパートにすり、万引の目的で入つても建造物侵入とならないと同様に、刑法一三〇条前段にいう侵入にはあたらない。」旨主張する。

ところで、住居侵入罪は、住居権者の意思に反して違法にその住居に侵入することによつて成立し、もし住居権者、看守者の承諾(現実的承諾のみならず、推定的承諾を含む)があれば、同罪の構成要件該当性を阻却し、その犯罪は成立しない。

〈証拠〉によると、一般参賀は国民が皇室に対し新年の祝詞を述べる機会として昭和二三年以来宮内庁の行事として実施されてきたこと、昭和四四年一月二日の新年一般参賀については、昭和四三年一二月二〇日当局から、参賀当日は、入門時間は、午前九時から午後三時三〇分までで、参賀者は皇居正門(二重橋)から参入し、宮殿東庭の参賀会場を経て、坂下門、桔梗門、大手門または乾門から退出する。記帳所は設けず、参賀者の資格に制限なく、服装も任意だが、混雑が予想されるので、旗ざお、プラカード、大きな荷物など他の迷惑になるようなものの持ち込みはしないように、参入の際混雑するような場合は正門前で列をつくり、列を乱さぬようになどと注意事項を付して発表され、右要領に基いて、当日は、通常は準特別区域として一般には立入禁止となつている皇居長和殿東庭につき一般参賀の目的のため一般の人の参入が許され、右日時・方法により実施されたこと、参賀者は誰でも右会場に出入できたが、正門前で列をつくり、係員の誘導整理に従い、右順路で参入退出したこと、当日は、宮内庁当局の一般参賀の運営に協力して雑踏等による事故防止、皇居内の警備、警戒は、皇居警察および丸の内警察署がこれを担当したこと、管理者である宮内庁当局は、参賀の目的以外の一般の人々にまで参賀会場に立ち入ることを許す趣旨でなく、もちろん一般参賀の趣旨に反し、参賀会場で違法行為を行うことを目的とする者の立ち入りは一切これを拒否をする趣旨であつたことが認められる。したがつて、宮内庁当局が、参賀の日に参賀会場で発煙筒を無許可で燃焼発煙させる目的でこれを携帯して同会場に立ち入ろうとする者を拒否する趣旨であつたことは明らかであるといわなくてはならない。

このことは、宮内庁長官官房総務課長回答書添付の昭和四三・九・二〇付宮内庁告示第一〇号皇居東御苑公開要領によると、全面的に一般公開されている皇居の東御苑において、危険物を携行する者などの入園を禁じ、花火の打ち上げ、騒音を発する行為などを禁じていることと対比しても、容易に看取できる。

してみば、被告人が川本嘉昭と共に、判示認定のように、新宮殿造営批判の一手段として、一般参賀の会場において、違法に無許可で発煙筒を燃焼発煙させ、同時にビラをまく目的(もつとも、ビラは現場に遺留されたのみ)から、一般参賀者にまぎれて、ビラと共に発煙筒を携帯して皇居正門から同会場に立ち入る行為は、被告人らが、一般参賀者と共に、一定の日時、順路に従い、係員の誘導整理に服して参賀会場に立ち入つたとしても、当日被告人らの目的、態様による立ち入りを禁ずる旨の掲示がなされていなくても、もとより管理者の承諾の範囲をこえ、その意思に反したその場所の平穏を害する違法な立ち入り行為であると解するのが相当である。

したがつて、被告人らの本件の立ち入り行為は、刑法一三〇条前段にいう「故なく侵入した」場合に該当するものといわなくてはならない。

被告人および弁護人は、前述のように、この点について、「本件立ち入り行為も、デパートにすり・万引の目的で立ち入つても建造物侵入罪が成立しないのと同様に考えることができ、なんら罪とならない。」旨主張する。

しかしながら、デパートの場合は、皇居の場合と異なり、常時営業時間中は誰でも出入りできる場所として、一般的にひろく公開されているのである。そして施設の性質上、デパート内に万引・すりを目的とする者がひそかに客にまぎれこむことはあり得ることとして受忍せざるを得ないと解するならば、必ずしもこれを一般的、包括的承諾の範囲をこえたものといえないと解する余地があり、また一般顧客に全面的に解放されている以上、住居の平穏を害する態様の立ち入りでない限り、社会的相当性の範囲内にあるという見解も考えられるのである。

ところが、被告人の本件立ち入り部分は、「人の看守する邸宅」にあたり、常時は一般の出入りを禁じられている場所である。ただ一般参賀当日は、前認定のとおり、時間を限定し、一般の人々が参賀の目的のため一定の順路によつて参入、退出することが許され、係員がその誘導整理にあたるのである。したがつて、一般参賀の趣旨に反し、違法目的のもとに発煙筒を携帯して立ち入ることは、管理者の一般的、包括的承諾の範囲内にあると解する余地は全くないといわなくてはならない。この意味において、皇居の場合は、一般参賀の日時に、一般参賀の趣旨のもとに限定的に公開されていると解するのが相当なのである。

このように、すり・万引の目的のためデパート内に立ち入る行為と本件立ち入り行為とは、その場所、行為の態様等において、事情を異するものであつて、両者の建造物侵入罪の成否は、それぞれ別個に考察しなければならない。したがつて、すり・万引の目的のためにデパート内に立ち入る行為が建造物侵入罪にあたるか否かは暫らくおき、その場合が無罪だから本件立ち入り行為も無罪であると類推、即断することは許されない。その点に関する被告人および弁護人の主張は採用できない。

また、弁護人は、「管理者の参賀の目的以外の不法な目的を有するものの入門を許さないという管理者の意思は、明示的に告知されなかつた。それは管理者のかくれた意思にすぎない。このかくれた意思によつて、住居侵入罪の構成要件を充足するという考え方は、罪刑法定主義を否定することでもあり、危険な考え方でとうてい許されない。」旨主張する。

当裁判所は、判示のように、被告人らが違法な目的をもつて発煙筒を携帯して参賀会場に立ち入つた行為が、刑法一三〇条前段にいう「故なく侵入した」という構成要件を充足するものと解する。そして管理者において、一般参賀の日、何人たるを問わずと本件のような目的、態様の立ち入りを許されない趣旨につき、被告人らが宮内庁当局からその旨の明示的な告知を受けているわけではないが、しかしこのようなことは、事柄の性質上、一般の人々にとつて、明示的告知の有無にかかわらず、当然了解し得るところというべきである。したがつて、被告人の本件立ち入り行為をもつて刑法一三〇条前段に該当する違法な行為であると判断することが、罪刑法定主義に反するとはとうてい解しがたく、管理者のかくれた意思による処罰として許されない危険な考え方であるという批判も失当といわなくてはならない。

この点に関する弁護人の主張も採用しがたい。

なお、上述の被告人の本件立ち入り行為が、現在の時点における日本の社会生活の中において、歴史的に形成された社会倫理的秩序のわく内に止まり、そうした秩序によつて是認、許容されるべき社会的相当性の範囲内の行為であるとも解しがたく、また可罰的違法性がないとも解されない。

第二、火薬類取締法違反罪について。

一、発煙筒二本に対する火薬類取締法違反の点について、白色発煙筒に対する分については、後述のとおり犯罪の証明がない。

弁護人は、「黄色発煙筒についても、一〇〇グラム中三三グラム以下の火薬剤の含有(玩具の発煙を主とするものの6.5本分)にすぎず、通常の用法で使用する限り、人に危害を与えない。火薬類取締法一条の『火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保する。』との目的からみて、災害にも安全にも、関係しない、発煙筒の使法は同法二五条の適用の範囲外にある。」旨主張する。

しかしながら、〈証拠〉によると、本件発煙筒はいずれも火薬類取締法二条一項三号へに該当する火工品であり、黄色発煙筒は、点火薬・伝火薬の着火燃焼を経て発煙剤にも着火燃焼し、黄色の発煙現象があつたのであるから、この行為が同法二五条一項本文、五九条五号に該当することは明らかであつて、これに反する弁護人の主張は採用しがたい。

二、発煙筒の無許可燃焼と可罰的違法性の有無。

被告人および弁護人は、予備的に、「発煙筒の燃焼は、その物の性質および法益侵害が微少であるから、処罰に値しない。」旨主張する。

なるほど、無許可で火工品である発煙筒を燃焼させる行為そのものは、いわゆる形式犯であり、重大な犯罪ではない。しかし本件においては、その行為による法益侵害は直接生命、身体に対するものでなかつたとしても、新年参賀のため慶祝の意を表して多数の人々が密集している参賀会場において、発煙筒が使用された場合、混乱誘発の危険性が存在し、その行為により一般参賀者、皇室一家、管理者に与えた影響を無視することはできない。

したがつて、火工品である本件発煙筒の無許可燃焼は、処罰に価する可罰的違法性を有するものというべきである。

これに反する被告人および弁護人の主張は採用しがたい。

第三、本件行為と正当化事由。

一、被告人および弁護人は、「被告人の行為は正当な行為である。国民が住宅難に苦しむときに、国民の血税から一三〇億円を使つて、新宮殿を造営したことは、国民に背を向ける政治であるばかりでなく、意識のおくれた国民に参賀をさせ、天皇制を復活させようと策しているといわねばらない。国民はこれを批判する自由を有する。新宮殿東広場において、発煙筒に点火する行為は、これを批判する意思の表現または手段であつて、憲法二一条の保障する表現の自由の範囲内の行為である。」旨主張する。

しかしながら、被告人の本件行為は、憲法の保障する表現の自由の範囲を明らかに逸脱したものというべきである。日本国憲法二一条一項の保障する表現の自由は民主々義の基礎であり、国家、政府ないし権力者を批判、抗議する自由を含むものと解しなくてはならない。しかし、いかなる形式・方法の表現も、絶対無制限に許されるものでなく、その行為が場所、方法、状況その他から、明白かつ現在の危険を生じ、公共の福祉に反する場合、もはやその表現方法は憲法の保障するわくをこえるものというべきである。

本件のように、一般参賀の日に、多数参賀者の集つている参賀会場において、点火の地点がその後方にせよ、新宮殿造営、天皇制の批判、抗議のため、突如発煙筒を燃焼発煙させる行為は、明らかに混乱を誘発する危険があり、その行為の場所、方法、状況に照らすと、直接暴力に訴えたものでなくても、社会通念上許容される範囲をこえた著しく不当な手段であり、公共の福祉を害し憲法が保障する表現の自由のわくをこえた許されないものというべきである。

二、さらに、被告人および弁護人は、「本件行為は、被告人らのアナーキスト運動として、刑法三五条の正当業務行為である。」と主張する。

日本国憲法一九条は、思想および良心の自由を不可侵として保障する。人がアナーキズムを信奉することは全く自由であり、憲法は少数者の思想、意見といえど尊重する建前を採る。したがつて、アナーキスト運動も通常は憲法上保障される正当な業務行為であるというべきである。しかし、被告人の本件行為は、すでに述べたとおり、憲法の保障するわくを逸脱し、法秩序に反し、社会通念上是認される範囲をこえる以上、業務の正当な範囲をこえ、もはや刑法三五条にいう正当業務行為にあたらないものというべきである。

以上のとおり、被告人の本件行為につき、憲法的に、刑法的に正当化し得る理由はなく、これに反する被告人および弁護人の主張はいずれも採用しがたい。

(前科)

被告人は、昭和三五年七月一三日前橋地方裁判所で殺人未遂罪により懲役五年(未決勾留日数四二〇日算入)に処せられ、昭和四一年二月六日右刑の執行を受け終つたもので、右事実は前科調書の記載により明らかである。

(法令の適用)

被告人の判示所為のうち、建造物侵入の点は刑法六〇条、一三〇条前段、罰金等臨時措置法三条一項一号に、火薬類取締法違反の点は刑法六〇条、火薬類取締法五九条五号、二五条一項本文にそれぞれあたるが、いずれも所定刑中懲役刑を選択し、右各罪は前記前科との関係で再犯であるから、刑法五六条一項、五七条によりそれぞれ再犯の加重をし、以上は同法四五条前段の併合罪なので、同法四七条本文、一〇条により重い右建造物侵入罪の刑に同法四七条但書の制限内で法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役四月に処し、同法二一条を適用して未決勾留日数中六〇日を右の刑に算入する。訴訟費用は刑事訴訟法一八一条一項本文により全部被告人に負担させる。

(量刑事由)

被告人の本件行為は、さきに述べたとおり、憲法の保障する表現の自由のわくを逸脱するもので、その刑法上の責任は免れがたく、その行為によつて、新年参賀のため多数参賀者の集まつている会場において、混乱、雑踏を誘発する危険性、皇室一家はもとより管理者、参賀者多数に与えた精神的影響、その社会的影響等は軽視しがたいところであるが、被告人の本件立ち入り行為自体は一般参賀の際のもので、一般に出入の許されない通常の場合とは異なり、住居侵入の行為類型として違法性の弱いものであること、発煙筒は火薬類の取扱いを受けるが、通常の用法に従えば人に危害を加える物件ではなく、本件発煙筒の無許可燃焼もいわゆる形式犯に属すること、幸いにも警備担当者の適切な措置により大きな混乱を発生するに至らなかつたこと、本件行為による現実の法益侵害として人の生命・身体・財産に危害を生じたわけでなく、本件においては直接的暴力行使およびその意図が被告人らになかつたことなどの被告人に有利な犯情も考慮し、本件の動機、被告人の年令、経歴その他諸般の情状を総合的に考察して、主文第一項掲記のとおり刑の量定をした。

(無罪部分の理由)

本件公訴事実中火薬類取締法違反の点は、被告人および川本嘉昭の両名は共謀のうえ、判示第二の犯行の際、発煙筒二本に点火し、これを燃焼発煙させたというのである。

しかし右発煙筒二本(昭和四四年押第三三九号の一)のうち白色発煙筒については、本件全証拠によるも、その点火薬・伝火薬に点火してこれを燃焼させるに至つた点につき、犯罪の証明が十分でない。もつとも川本嘉昭の司法警察員に対する昭和四四年一月一〇日付および検察官に対する同月一一日付各供述調書謄本によれば、被告人および川本嘉昭の両名が共謀のうえ、右川本において発煙筒二本に点火し、燃焼発煙させた旨の供述部分があるけれども、証人渡辺了の当公判廷における供述および昭和四四年一月二四日付警視庁科学検査所長作成の鑑定結果回答書(謄本)によれば、発煙筒二本のうち白色の分は発煙しなかつたものと認められること、証人渡辺の右供述によれば、点火薬・伝火薬の燃焼自体確認できない旨の供述に照らせば、白色発煙筒に関しては右供述部分はとうてい信用しがたく、白色発煙筒の点火薬・伝火薬の着火燃焼の点も、証人渡辺の右供述内容を検討すると、燃焼に至つたか疑わしく、結局この点について、本件全証拠によるも犯罪の証明が十分でないこととなる。しかし本件火薬類取締法違反の点については、発煙筒二本につき包括して一罪として起訴されたものと認められるから、主文において特に白色発煙筒の点につき無罪の言渡をしない。(粕谷俊治)

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